行政書士・海事代理士安江聖也事務所

海技士免許とその取り方

無料相談はこちら

神奈川県藤沢市羽鳥3丁目1-36羽鳥シェモア202号室
[営業時間] 月曜日~水曜日・金曜日:10:00 ~ 18:00 / 土曜日:10:00 ~ 16:00
[定休日] 木曜日・日曜日

海技士免許とその取り方

海技士免許とその取り方

2024/08/24

海技士免許とその取り方

総トン数20トン以上の船舶を動かすのに必須な海技士免許について解説します。

 はじめに

 海技士免許は、船舶を安全かつ適切に運航するための技術的な知識と技能を証明する資格で、日本においては、船長や航海士、機関士などの専門職に就くために必要な免許です。この免許を取得することで、船舶の運航に関わる高度な技術を身につけ、海上での安全性を確保するための責任を担うことができます。

 本解説では、海事代理士として、海技士免許の概要とその取得方法について解説します。海技士免許の種類や資格要件、試験内容、そして取得後のキャリアについて詳しく説明し、これから海技士を目指す方々に向けた情報を提供いたします。

1. 海技士免許の概要

 海技士免許は、大きく分けて航海、機関、通信の3つの区分に分かれており、それぞれが特定の職務に関連しています。各区分はさらに、業務の範囲や船舶の大きさによって細分化され、船舶の種類や運航地域によって求められる免許が異なります。

1.1 海技士免許の種類

(1)航海: 船舶の操縦や航行を担当する航海士や船長に必要な免許です。等級により、扱える船舶の大きさ

  や航行できる海域が異なります。

(2)機関: 船舶のエンジンや機械設備を管理・運用する機関長や機関士に必要な免許です。船のサイズや航

  行距離に応じて、必要な等級が変わります。

(3)通信: 船舶における無線通信を担当するための免許です。無線機器の操作や通信業務に携わるために必

  要です。

1.2 資格要件

  海技士免許を取得するためには、まず一定の資格要件を満たす必要があります。これには、船舶での乗

 船経験や、海事系の専門学校や大学での修了などが含まれます。具体的な要件は、取得を目指す免許の種

 類と等級によって異なります。

(1)乗船履歴: 免許取得のためには、一定期間の乗船経験が必要です。例えば、航海士免許を取得するため

  には、船舶での乗船経験が規定された期間以上であることが求められます。

(2)学歴: 海事系の専門学校や大学を卒業することで、乗船履歴の一部が免除される場合があります。これ

  により、実務経験の不足を補うことが可能です。

(3)年齢要件: 一部の海技士免許には、取得時の年齢制限が設定されています。通常、18歳以上であること

  が基本的な要件となります。

2. 海技士免許の取得方法

 海技士免許を取得するためには、国家試験に合格することが必要です。試験は、筆記試験実技試験に分かれており、それぞれで求められる知識と技能を証明する必要があります。また、試験の合格後には、一定の乗船実務を経て免許が交付されます。

2.1 筆記試験

  筆記試験では、航海士や機関士として必要な基礎知識や技術に関する問題が出題されます。具体的に

 は、航海法規、航海学、船舶工学、無線通信、気象学などが含まれます。筆記試験の合格率は比較的低い

 ため、十分な準備が求められます。なお、登録船舶職員養成施設の出身者は、筆記試験が免除されます。

(1)試験内容: 航海士試験の場合、航海学や船舶運用に関する問題が中心となります。機関士試験では、エ

  ンジンや機械設備に関する知識が問われます。

(2)試験対策: 試験対策としては、過去問の演習や、海事系の参考書を用いた学習が有効です。また、専門

  学校等での講座を受講することで、試験対策を強化することができます。

2.2 身体検査

  身体検査では、色覚、聴力、骨格など、船舶運航に必要な身体的条件が備わっているかどうかが検査さ

 れます。

2.3 口述試験

  海技士として必要な知識を有しているか、口頭で試験が行われます。

2.4 免許交付

  筆記試験と身体検査、口述試験に合格した後、一定の講習を経て、海技免状が交付されます。免状が交

 付されると、正式に海技士としての業務を行うことができるようになります。

(1)実務経験: 免状交付には、実際の船舶での乗船実務が必要です。これは、筆記試験や実技試験で学んだ

  知識や技能を、現場で応用するための重要なステップです。

(2)免許の有効期限: 海技免状には、有効期限が設定されており(通常、5年ごと)、定期的に更新が必

  要です。更新時には、健康診断や研修の受講が求められる場合があります。

3. 海技士免許取得後のキャリア

 海技士免許を取得すると、船長や航海長、航海士、機関長、機関士として国内外の船舶で活躍することが可能です。海技士は、海上での安全運航を担う重要な役割を果たすため、非常にやりがいのある職業です。また、総トン数20トン以上のクルーザーのような私有船舶の運航にも必要です。

(1)国内でのキャリア: 日本国内では、フェリーや貨物船、漁船、クルーザーなど、多くの船舶で海技士が

  必要とされています。また、海上保安庁や海上自衛隊でも海技士の技術が求められています。

(2)国際的なキャリア: 海技士免許は国際的にも認められており、海外の船会社での就職や、国際航路での

  勤務も可能です。グローバルな視野を持って働くことができる点も、海技士の魅力の一つです。

 まとめ

 海技士免許は、船舶の安全運航に欠かせない高度な技術を証明する資格であり、その取得には一定の経験と知識が必要です。筆記試験や実技試験に合格するための十分な準備が求められる一方で、免許取得後には、国内外での幅広いキャリアが開かれています。

 海技士を目指す方は、しっかりとした計画を立て、専門知識と実務経験を積み重ねることで、海上での安全運航に貢献するプロフェッショナルとして成長することができるでしょう。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。