警備業の種類と認定申請・認定更新申請代行
警備員の経験豊富な行政書士が対応します。
1. はじめに
警備業は、社会の安全等を確保するために重要な役割を果たしている業種です。日本において、警備業を営むためには警備業法に基づく認定を受ける必要があります。
また、警備業にはいくつかの種類があり、それぞれの業務内容に応じた適切な対応が求められます。警備業の種類、認定申請のプロセス、認定更新の手続きについて、行政書士としての視点から詳しく解説して、認定申請・認定更新申請をご案内します。
2. 警備業の種類
警備業は、その業務内容によって大きく4つの種類に分類されます。それぞれの警備業務は、特定のニーズに応じた専門的なサービスを提供するものであり、必要な認定も業務ごとに異なります。
2.1. 1号業務(施設警備業務)
1号業務は、施設警備業務と呼ばれ、建物や施設の出入口や内部の監視、巡回などを行う警備業務です。
主に、オフィスビル、商業施設、工場、学校、病院などの施設に対して、侵入や盗難、火災などのリスクを防ぐことを目的としています。監視カメラ
やセンサーの使用、警備員の巡回などを通じて、安全を確保することが求められます。
2.2. 2号業務(交通誘導警備業務)
2号業務は、交通誘導警備業務で、道路工事現場や駐車場、イベント会場などで車両や歩行者の安全を確保するための誘導を行います。
交通事故の防止や円滑な通行をサポートすることが主な目的です。交通誘導の際には、警備員が現場の状況に応じて迅速かつ的確な判断を行う必要が
あり、特に大型イベントや工事現場では重要な役割を担います。
2.3. 3号業務(運搬警備業務)
3号業務は、運搬警備業務です。現金や貴重品を安全に運搬するための警備を行います。
銀行や企業の現金輸送、貴金属や高価な物品の運搬が含まれます。これらの物品は盗難や強盗のリスクが高いため、厳重な警備が必要です。
運搬ルートの計画、警備員の配置、専用車両の使用など、安全確保のための対策が徹底されます。
2.4. 4号業務(身辺警備業務)
4号業務は、身辺警備業務で、特定の個人の身辺を守るための警備です。要人警護やVIPの身辺警護などが該当し、著名人や政治家、経済界の重鎮な
ど、特定のターゲットに対する脅威を未然に防ぐための高度な警備が求められます。
場合によっては、海外での業務も含まれるため、国際的な視点での対応が必要となることもあります。
3. 警備業の認定申請
警備業を営むためには、警備業法に基づく公安委員会からの認定が必要です。この認定を受けるには、一定の要件を満たし、申請手続きを経る必要があります。以下に、認定申請の流れを解説します。
3.1. 認定要件
警備業の認定を受けるためには、下記以外の者が営む業でなければなりません。(警備業法第3条)
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算
して五年を経過しない者
三 最近五年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行
為で国家公安委員会規則で定めるものをした者
四 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相
当な理由がある者
五 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の
四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの
六 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
七 心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
八 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が警備業者の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び第十号のいず
れにも該当しない場合を除くものとする。
九 営業所ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに第二十二条第一項の警備員指導教育責任者を選任すると認められないことについ
て相当な理由がある者
十 法人でその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わ
ず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)のうちに第一号
から第七号までのいずれかに該当する者があるもの
十一 第四号に該当する者が出資、融資、取引その他の関係を通じてその事業活動に支配的な影響力を有する者
3.2. 認定申請の手続き
認定申請は、各都道府県の公安委員会に対して行います。主な申請書類には、以下のものが含まれます。
〇 申請書(警備業法に基づく認定申請書。警備業法第5条):以下の事項を記載します。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 主たる営業所その他の営業所の名称、所在地及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分
三 営業所ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに、選任する警備員指導教育責任者の氏名及び住所
四 法人にあつては、その役員の氏名及び住所
〇 その他の添付書類(神奈川県の例)
必要な添付書類 | 個人申請の場合 | 法人申請の場合 |
本籍記載の住民票の写し (外国人の場合は国籍等記載の住民票の写し) |
・ 申請者 ・ 警備員指導教育責任者 |
・ 役員等 ・ 警備員指導教育責任者 |
履歴書 | 同 上 |
同 上 |
市区町村長が発行した身分証明書 |
同 上 |
同 上 |
医師の診断書 |
同 上 |
同 上 |
欠格事由に該当しない旨の誓約書 |
同 上 |
・ 申請法人のもの ・ 警備員指導教育責任者 |
業務を誠実に行う旨の誓約書 | ・ 警備員指導教育責任者 | ・ 警備員指導教育責任者 |
警備員指導教育責任者資格者証の写し | 同 上 | 同 上 |
定款 | ー | ・ 申請法人のもの |
登記事項証明書 | ー | 同 上 |
これらの書類を準備し、所定の手数料23,000円を支払って申請を行います。公安委員会は、申請内容を審査し、必要に応じて現地調査を行うこ
ともあります。
審査に合格すると、警備業の認定が交付され、業務を開始することができます。
3.3. 認定取得後の義務
認定を受けた後は、警備業者としていくつかの義務を遵守する必要があります。たとえば、警備員の教育訓練を定期的に実施し、その記録を保管する
ことが求められます。また、その業務の状況に関し報告又は資料などを公安委員会に提出する義務があります。
4. 認定の更新
警備業の認定は、一度取得すれば永久に有効というわけではありません。認定には有効期限があり、定期的に更新手続きを行う必要があります。
4.1. 更新手続きの流れ
認定の有効期限は、通常5年間です。有効期限が近づいたら、更新申請を行わなければなりません。更新手続きも初回の申請と同様に、公安委員会に対
して申請書類を提出します。更新申請では、認定申請の際と同じ申請書及び添付書類が必要となります。
更新申請が受理され、審査が行われた後、問題がなければ認定の更新が許可されます。
4.2. 更新に伴う注意点
認定の更新に際しては、過去5年間の業務履歴や法令遵守の状況が審査されます。違法行為や不正行為があった場合、認定が取り消される可能性もある
ため、日常業務において法令遵守を徹底することが重要です。また、更新手続きは期限内に行わなければならず、期限が過ぎると無認可状態での営業と
なり、法律違反となるため、期限管理も重要です。
5. 行政書士の役割
警備業の認定申請や更新手続きは、非常に多くの書類を準備し、複雑な手続きを経る必要があります。行政書士は、こうした手続きを代行することで、警備業者がスムーズに認定を取得・更新できるようサポートする役割を果たします。具体的には、書類の作成や提出代行、必要なアドバイスを提供することが可能です。
また、認定後の法令遵守や報告義務に関するサポートも行うことで、警備業者が安心して業務を継続できるように支援します。
6. まとめ
警備業を営むためには、公安委員会からの認定が必要であり、定期的な更新も求められます。警備業には、施設警備、交通誘導、運搬警備、身辺警備といった4つの業務があり、それぞれに応じた適切な認定を受けることが重要です。当事務所代表は、警備員としての経験が豊富です。行政書士として、警備業者がスムーズに認定を取得・更新できるよう、手続きのサポートやアドバイスを提供することで、警備業界の健全な発展に寄与させていただきます。
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