公正証書遺言の作成について:行政書士による解説
2024/10/26
公正証書遺言の作成について
行政書士による解説
1. はじめに
遺言は、人生の最期に際して、自身の財産をどのように分配するかを明確に示すための重要な法的文書です。特に公正証書遺言は、その確実性と有効性から、最も推奨される遺言の形式となっています。本稿では、公正証書遺言の作成について、行政書士の立場から詳しく解説いたします。
2. 公正証書遺言とは
2.1 定義と特徴
公正証書遺言とは、公証人の面前で遺言者が口述し、公証人がそれを筆記して作成する遺言です。民
法第969条に規定されており、以下のような特徴があります:
(1)確実性が高い:公証人が関与するため、内容の適法性が担保されます
(2)偽造・変造の危険性が極めて低い
(3)原本が公証役場で永久保管される
(4)家庭裁判所での検認手続きが不要
(5)即時に執行可能
2.2 他の遺言形式との比較
(1)自筆証書遺言:自身で全文を書く必要があり、検認が必要
(2)秘密証書遺言:証人が必要で、検認が必要
(3)公正証書遺言:最も確実性が高く、検認不要
3. 公正証書遺言の作成手順
3.1 事前準備
(1)遺言の内容の検討
(2)相続財産の確認
(3)相続人の確認
(4)分配方法の決定
(5)必要書類の準備
遺言者の印鑑証明書
戸籍謄本
不動産登記事項証明書(不動産を相続財産に含む場合)
預金通帳のコピー(預金を相続財産に含む場合)
その他財産を証明する書類
3.2 作成手続き
(1)公証役場への予約
(2)証人2名の手配
(3)遺言の口述
(4)公証人による作成・朗読
(5)遺言者と証人の署名・押印
4. 公正証書遺言の内容
4.1 必要的記載事項
(1)遺言者の氏名・住所
(2)作成年月日
(3)作成場所
(4)証人の氏名・住所
(5)遺言の内容
(6)公証人の署名・押印
4.2 遺言で定めることができる事項
(1)財産の承継に関する事項
(2)特定の財産の承継
(3)相続分の指定
(4)遺贈
(5)相続人の廃除
(6)遺言執行者の指定
(7)後見人の指定
(8)祭祀承継者の指定
5. 証人について
5.1 証人の資格
以下の者は証人になれません:
(1)未成年者
(2)公証人の配偶者、血族、職員
(3)遺言により利益を受ける者及びその配偶者・親族
(4)成年被後見人、被保佐人
(5)遺言者の配偶者、親族
5.2 証人の役割
(1)遺言の内容を確認
(2)遺言者の意思能力を確認
(3)署名・押印による証明
6. 費用について
6.1 公証人手数料
(1)遺言の内容や財産額によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです:
(2)基本手数料:11,000円
(3)財産額に応じた手数料:財産額の1,000分の4程度
(4)証書の正本・謄本の交付手数料:1通につき1,150円~
6.2 その他の費用
(1)印紙代
(2)証人への日当(必要な場合)
(3)行政書士への報酬(依頼する場合)
7. 公正証書遺言作成後の注意点
7.1 保管
(1)原本:公証役場で永久保管
(2)正本・謄本:安全な場所での保管が必要
(3)法務局での遺言書保管制度の利用も検討
7.2 変更・撤回
(1)新たな遺言の作成による変更が可能
(2)一部変更の場合も新たな遺言の作成が必要
(3)撤回も新たな遺言の作成により可能
8. 行政書士の役割
行政書士は、公正証書遺言の作成において以下のような支援を行います:
(1)相談対応
(2)遺言の必要性の判断
(3)遺言内容の検討
(4)法的助言の提供
(5)事前準備の支援
(6)必要書類の収集・作成
(7)財産目録の作成
(8)相続人調査
(9)作成手続きの支援
(10)公証役場との連絡調整
(11)証人の手配
(12)立会い
(13)アフターフォロー
(14)保管に関する助言
(15)変更・撤回の相談対応
(16)相続発生時の対応
9. 結論
公正証書遺言は、遺言者の最期の意思を確実に実現するための最も信頼できる方法です。その作成には様々な法的知識と手続きが必要となりますが、行政書士がサポートすることで、スムーズな作成が可能となります。
特に近年は、相続トラブルの予防や、円滑な財産承継のために公正証書遺言の重要性が高まっています。遺言の作成をお考えの方は、まずは行政書士にご相談ください。専門家として、ご状況に応じた最適なアドバイスを提供させていただきます。